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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第090号       ’01−05−11★

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     散漫な話

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●<通勤>が良い運動になる、

 

と聞いても嬉しい気はしないかも知れません。  現役の皆さん、朝夕

まことにご苦労様です。  しかし実際、大型連休とやらで何日かノン

ビリ過ごしたため、少しタルンだとか、目方が増えたとか、普段しない

ことをしたために体調を崩したとか、いずれにせよ何か良からぬ変化が

生じたのではありませんか?  やはり<運動>を休んだせいでしょう。

 

くやしいことにあれは年齢制限のあるスポーツ(?)。  参加させて

もらえるうちが華です。  会費も高価な道具も要らず、毎日楽しめる

のだから素晴らしい!  <痛>勤と嘆くのは単なる被害妄想ですぞ。

 

そのフィールドから追い出され、戻る機会が得られずにいる古参選手の

身にもなってご覧なさい。 急に<サンデー毎日>では体調も狂います。

医者に診せると、「通勤が無くなりましたからねえ、、」。  慰めて

くれたつもりだろうけれど、責められた感じ。  運動不足だ、と。

 

営業のテクテク歩き、製造現場や販売店頭での立ちっぱなし、どれもが

実は健康のもとでした。  定年退職の影響が、精神面、経済面だけで

なく、<足>にも来る。  足の衰えはボケのもと、、 こりゃ大変! 

 

ですから皆さん、駅へ急ぐ通勤の朝、イヌなんか連れて呑気そうに散歩

している(ように見える)高年男性に、いい身分だ、なんて腹を立てる

必要はありません。  本人は現役さんたちを羨んでいるに違いないの

です。  むしろ同情してやって下さいな。

 

 

つい<散歩>と言いましたが、辞書には「特別の目的を持たず気の向く

ままに歩くこと」とある。  はあ、それで近頃は<ウォーキング>と

言うんだ、、  たしかにあのエッサエッサは体調維持という<特別の

目的を持>っての歩行であって、決して<散>漫な<歩>行ではない。

それを表すにはカタカナ英語の方が、、 かどうか。  しかし、

 

いかにも一心不乱、では何やら悲壮な感じ。  ほかのことには比較的

無頓着な私ですが、そこはさりげなくしたい。  朝夕の運動を始めた

のはずいぶん前で、当時はジョギング。 途中で止まったり、歩いたり

すると、誰かは、アハハ休んでら、と見るかも知れない、、

 

で、考えた挙げ句のワン公同伴方式。 オレは走り続けたいのに、この

イヌがね、、 てな感じでゴマカソウ、という馬鹿げた自意識過剰。

 

<言い訳用>なら上等である必要はない。 私の認識では、イヌなんて、

子犬の始末に迫られた人から<もらって来る>もの。 <買って来る>

ものじゃない。 始末に困るくらいだから、うやうやしい素性のイヌで

あるわけ無い。 雑種? 当然! 引き立て役の方が立派じゃ困ります。

 

しかし生き物だし、鎖につながれて体もナマるだろう。  生理現象も

処理してやらにゃあ、、  いささか面倒ではあるが、これで怠け心が

封じられます。  ワン公の方も心得て、その時刻には呼んでくれる、、

 

ネコじゃこうは行きません。  <番ネコ>ってのもいませんし、ね。

 

*   *   

 

何しろ<散歩>ではない、マッシグラの歩行。 野球帽も目深に、余分

なものは視界に入れない、、 はずではあるが、問題解決人間の悲しさ。

つい見えてしまうことしばしば。  我がウォーキング・コースの最遠

折り返し地点にある隣町の掲示板。  このメンテナンスが宜しくない。

 

期日を過ぎたポスターがいつまでも貼られていたりして、つい気になる。

もっともそのお陰で、ポスター自体の不出来にも注意が向くから面白い。

 

先頃の国勢調査のも良くなかった。 タレント風の若い女性の顔が画面

いっぱい。  何の募集かと思って近づいて見ると、下の方に小さな字

でチョコチョコっと<国勢調査>。  こりゃ注意の喚起にゃならんね、、

 

知らせたいことが何なのか、このデザインはその目的に適っているのか、

なんてこと、誰か少しは考えたのかな?  これがその成果?  戸外

に貼られた時どう見えるか、歩行者の距離で試したのかな?

 

まあ、色々な疑問が浮かんで、アタマの体操もさせてもらえるわけです。

そしてこのたびのはイヌの画。  コーギー<ウェルシュ・コーギー・

ペンブローク、立派な顔立ちの胴長犬>が2頭並んで座った図。 それ

を囲んで、細かな文字が全面ビッシリ。  これに目を惹かれたのは、

 

ウォーキングの常連に、それソックリのコーギーを(これまたポスター

同様、2頭)従えたご婦人がいらっしゃるので、まさかあの人の、、? 

 

「ペット、探してください」ってのも時にありますからね。 でなきゃ

保健所のお知らせかな?  と近寄って読んでみたら、、 おや、交通

安全を訴えた文章。  例によって、過ぎてしまった<運動>を、未だ

<宣伝>してるぜ、ここじゃ。  でも、気付かなかったよなあ、、

 

*   *   *

 

要は、安心して歩けないのが困る、という話。  住宅地の中を飛ばす

車が多い、運転マナーも良くない。 当然、事故が起きる。 そんなの

見たくない、哀しい思いはイヤだ、、 という詠嘆的散文調。

 

ツブヤキというかボヤキというか、まあ日本的なものです。 綴った人

の心情に全く共鳴しないとは言わないが、全国交通安全運動のポスター

と銘打つにはいかにもスケールの小さい文章。 結局誰に何をさせると

いうのか、具体的な指示が何も含まれていないのですから。

 

 もっともこの1枚に限らず、伝えるべき内容が必ずや知るべき相手に

 伝わるという作りになっているか、疑わしいのが実に多い。 むしろ

 

 それが掲示板用ポスターの特徴で、<貼られていること>自体に意義

 があるのであって、読まれるか、伝わるか、は<狙い>の外なのかも。

 

 アタマの良い人たちがカネと時間をかけ、貼り出してはあります、と

 申し訳することだけを目的にそうしている、と考えれば辻褄は合う、、、

 

 内容などについて意見を書き送るべき先なども示されてない。 巧妙

 というか、散漫というか、まあ、お役所的な作り、、 なんですな。

 

対象とされているのは主に車の運転者だが、彼らは走り抜けるだけの人。

一時停止もキチンとはしない連中でしょ。 自分が住んでもいない街で、

掲示板を見に停まることなんかありはしない。 たとえ住人でも、歩く

のが嫌いでクルマ族やってるんだから、散歩など滅多にするわけないよ。

 

結局読むのは、少なくともその時点、クルマに乗っていない人。 記述

に反対は無いだろうが、それに関して何が出来るか? いや、何も無い。 

 

つまり、何か出来る人はそれを読まないし、読む人は何も出来ない、と

いうナンセンス。  被害者が被害者に訴えるのでは、ただの愚痴です。

 

<安心して歩ける>ようにしたいと本気で思うなら、たとえば<糾弾>

しなくちゃ、ね。  となると、一般論じゃ済まない。

 

特定人物の犯罪的行為事実を明確に描き、それを責める法的根拠を示し、

与えるべき懲罰にまで言及しなくてはサマになりません。 それを執行

するのは、まず警察、そして裁判所。  仕組みは昔から存在している。

 

けれども警察は捕まえないし、裁判はろくに罰しない。  クルマ族は

だから、安心して飛ばし、事故を起こす。 そして誰かがまたボヤク、、

 

というサイクルで考えると、この愚痴的ポスター、ナンセンスどころか

意味深長でした。 いかに当局が怠慢で、住民に安心を与えていないか、

ちゃんと述べている。  きわめて隠微な警察糾弾の書だった、のかも。

 

しかし事故は全国一律発生ではないし、怠慢でない警察もどこかにある

かも知れない。 住民の不安の質や程度は千差万別だろうから、対処の

方法も個別に工夫せねばなるまい、、  と考えさせることが

 

このポスターに期待された<高度な>効果であるなら、それを<全国>

<運動>で達成しよう、とするのは文字通り無<理>です。 年2回の

<恒例>を何年重ねても、<死者1万人>はコンスタント。  大した

成果が生じないのも、こんな<散漫>の当然の結果でしょう。

 

警察トップには東大出もいるというが、どうも Rational じゃないな、、、

 

*   *   *   *

 

てなことに思い至った時、我が街に帰り着きました。 じゃ、ついでに、

と我が町会の掲示板を見に寄ったたところ、すでに貼り替えられている。

 

やれやれ、我が町は未だ健全度が高いんだ。 しかし朝夕歩く習慣の私

ですら、そう気付くまで、普段はその前を素通りしていたことも事実。

 

自分の注意努力不足を棚に上げて言えば、掲示物の効果なんて、そんな

ものなのかも。  皆さんの周りではいかが?  たとえば社内の掲示。

 

**********

 

 

 

●機械部品メーカーK社での

 

EM法研修に際して、教育ご担当に伺いました。 「今回は、どの辺に

焦点を、、?」  すると、本年度目標<5S>を掲げているので、、

と言われ、見回すとたしかにアチコチ、ポスターが貼られている。

 

曰く<サービスの向上>、<信頼度の向上>、<スピードの向上>、、、

なるほど、サ、シ、ス、セ、ソの語呂合わせですな、、 と承りました。

 

4領域の最後は<状況分析>SA。 受講者諸氏が抱えている実務課題

が盛大に書き出されたのを見届けてから、注文一つ。  えー、御社の

本年度目標はサシスセソ、5項目あるそうですね。  ここに皆さんが

 

書き出されたのは、管理職として当然のこと、それらを実現するための

課題であろうと存じます。 そこでそれぞれのアタマに、それが5項目

のどれに当たるのかを示すサシスセソの1文字、付けてみて頂きたい、、

 

 

で、すぐ作業が始まるかと思ったら、みんなポカンとしていらっしゃる。

ほら、あのポスターに出ているサシスセソですよ、、 その1字を、、

 

やがてキョロキョロ、さらにヒソヒソ、、 どなたも日常、その5文字、

全然念頭に無かったらしい。  改めてその気になって頂き、一つずつ

検討してもらうと、、 ほとんどは<量的向上>に関わる課題、肝心の

サシスセソとは無関係。  いやー、見事なくらい、、  困ったな、、

 

まあ、会社の方針なるものが浸透せぬことかくのごとし、ポスターなる

掲示物が素通りされることかくのごとし、、 の感でした。  ひとの

ことは言えない、私がそのポスターに気付いたのも言われてからだった、、

 

*   *

 

以来、研修先でまず構内ひと目見渡す習慣が身に着き、そこで仕込んだ

ネタをSAに応用して受講者をギョッとさせると共に、会社方針の徹底

にご協力申し上げること絶大な講師、になりましたよ。

 

トップの指示は明快、印象的であることが大切ですが、職場リーダーの

レベルで<サ、シ、ス、セ、ソ>的な指示はまずい。 あまり抽象的で、

メンバーは動けません。 なまじ気を利かした部下は「何してる?!」

と叱られたり。  そんなら言われてからにしよう、、 になります。

 

<上>が「サービスの向上」とおっしゃるなら、心得てそれを具体的な

課題に作り直すのが管理職です。  部署の現況にマッチさせ、それを

示された部下が ウン、これで行こう! と頷いて立ち上がれるような、

明快な<行動>テーマに置き換えなくちゃいけません。

 

SAでは、否応なく多数の課題が浮上して来ます。  それらを個別に

評価して優先度を定めるとともに、(たとえば)サシスセソがバランス

よく織り込まれているか、その<分布>状態を、部署の特性とも併せて

吟味しなくてはなりません。

 

マジメであることは尊いが、「これが大切」、「ヤルッキャナイ!」に

凝り固まると、会社方針とかけ離れた方向へ驀進することにもなり得る。

それがアチコチで生じると、結果は力と力の引っ張り合い。 全社的に

は、どちらへも進まない、あるいは進んでも予定外の方向へだったり、、

 

そのままではバラバラのベクトルを、会社が選んだ方向へ整合させるの

がSA<状況分析>です。  せっかくの努力を散漫なものにさせない

ための思考パターン。 <全社運動>には<全国交通安全運動>と似た

ところがあり、下手すれば形だけの、散漫なものにしかなりません。

 

Rational Process は

   <全国交通安全運動>の轍を踏まずに済ませるツール!

   <散漫な全社運動>でなくするためのツール!

                          ■竹島元一■

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